ワークフロー機能を使うと、レコードにステータスを設定し、承認・差し戻しなどの業務フローを管理できます。 ステータスの遷移ルール / 作業者 / 遷移条件 / フィールド権限を組み合わせることで、業務プロセスを精密に制御できます。
アプリ設定の「ワークフロー」タブでワークフローを有効にします。
有効化スイッチ
ワークフローを有効にする
ステータスと遷移ルールを設定してプロセスを管理します
有効化スイッチをオフにすると、ワークフローは一時停止します。ステータスや遷移などの設定内容と、各レコードの進行状態はそのまま保持されるため、再度オンにすると元の状態で再開できます。
設定そのものを削除してやり直したい場合は、ワークフロー設定画面の下部にある「設定をクリア」を使います。ステータス・遷移・フィールド権限に加えて、全レコードの進行状態(現在のステータスと承認の記録)も完全に削除され、ワークフローはオフになります。この操作は元に戻せません。進行中のレコードがある場合は件数が表示され、確認のための入力を求められます。実行には再認証(パスワードの再入力)が必要です。
クリアすると、通知ルールの「対象ステータス」の絞り込みは解除され、すべてのステータスが対象に戻ります。レコードのアクセス権でステータスを条件にしているルールは削除されませんが、「ステータスが~と等しい」条件はどのレコードにも一致しなくなり、「等しくない」条件はすべてのレコードに一致するようになるため、クリア後にルールの見直しをおすすめします。
ドロップダウンやラジオボタンのフィールドで手動管理していたステータスをワークフローへ切り替える場合(またはその逆)は、ワークフロー設定の「既存レコードの移行」を使うと、レコードの状態を一括で移行できます。
移行の方向とフィールドを選ぶと対象件数が表示され、「フィールドの選択肢 → ステータス」の対応表を確認してから実行します(同じ名前は自動で対応付けられます)。フィールド → ワークフローの移行では、ワークフロー状態を持たないレコードだけが対象になり、進行中のレコードの状態が変わることはありません。移行では通知や Webhook は送信されません。移行後は、カンバンビューのグループ化を切り替えてください。
フィールドが未入力のレコードがある場合は、対応表に「(値なし / 未入力)」の行が表示されます。この行にステータスを対応付けると、未入力のレコードにもまとめてステータスを割り当てられます(「割り当てない」のままにすると、それらのレコードはステータス未設定のまま残ります)。ステータス未設定のまま残ったレコードは、後からレコード詳細画面の「管理者: ステータスを割り当て」(アプリ管理者のみ)で個別に割り当てることもできます。
業務の各段階に対応するステータスを定義します。作成後もステータスの名前と色は、一覧の鉛筆アイコンからいつでも変更できます。名前を変更しても、進行中のレコードや過去の履歴には影響しません。上下の矢印ボタンで並び順も変更でき、カンバンの列やフローチャートの表示順に反映されます。
ステータスの一覧
| 設定項目 | 説明 |
|---|---|
| ステータス名 | 業務の段階を表す名前(例: 未処理、承認待ち、完了) |
| 色 | 8色のプリセットから選択。一覧やバッジで視覚的に区別 |
| 初期ステータス | レコード作成時に自動設定されるステータス(1つだけ指定可能) |
| 完了ステータス | フローの終了を表すステータス(複数可:承認済み、却下など) |
各ステータスには、そのステータスにあるレコードへの編集・削除の制限を設定できます。 確定した申請の改ざんや、完了済みデータの誤削除を防ぐための機能です。
ステータス行の保護設定(抜粋)
編集の保護
自動(現在: ロック) — 完了ステータスのため
削除の保護
自動(現在: 管理者のみ削除可) — 完了ステータスのため
| 設定項目 | 選択肢 |
|---|---|
| 編集の保護 | 自動 / 制限なし / 作業者のみ / ロック(全員編集不可) |
| 削除の保護 | 自動 / 制限なし / 管理者のみ削除可 / ロック(管理者も削除不可) |
「自動」を選んだ場合、次の規則でそのつど実効値が決まります(他のステータス設定を変えるとヘルプ文の実効値表示も自動で追従します)。
| 保護 | 自動時の実効値 | 条件 |
|---|---|---|
| 編集 | ロック | 完了ステータスの場合 |
| 編集 | 制限なし | 完了ステータスでなく、作業者が「誰でも」かつ、そのレコードに作業者がピン留めされていない場合 |
| 編集 | 作業者のみ | 完了ステータスでなく、作業者が指定されている場合。または作業者が「誰でも」でも、そのレコードに作業者がピン留めされている場合 |
| 削除 | 管理者のみ削除可 | 完了ステータスの場合 |
| 削除 | 制限なし | 完了ステータスでない場合 |
つまり既定の挙動は「完了ステータスのレコードは編集ロック・削除は管理者のみ」のままで、明示的に上書きしない限り変わりません。
上の「ステータスごとの保護設定」はこのアプリ自身のレコードを保護する機能ですが、連動ロックは別のアプリのレコードを、このワークフローのステータス到達に合わせて自動的にロックする機能です。月次サマリの「締め」操作で、対象月の日次データを一括ロックするような使い方をします。
ステータス設定「連動ロック」(イメージ)
対象アプリ: 日次勤怠 / 対象の日付フィールド: 日付
期間の基準: このレコードの「対象月」フィールド(月初〜月末を自動算出)
対象者の絞り込み: このレコードの「従業員」フィールドの値に一致する行のみ
ロックルールの詳細な仕様(境界日の扱い、適用される書き込み経路の一覧、手動でのロック管理)は「期間ロック」マニュアルを参照してください。
設定例: 申請→承認のフロー
フロー図
どのステータスからどのステータスに変更できるかを遷移ルールとして定義します。 遷移ルールの並び順は、レコード画面に表示される遷移ボタンの並び順にそのまま反映されます。 各ルール右上の上下ボタンで並び替えられるので、よく使うアクションを上に配置してください。
遷移ルールの設定
| 設定項目 | 説明 |
|---|---|
| 遷移元 | 現在のステータス |
| 遷移先 | 変更後のステータス |
| ボタンラベル | レコード画面に表示されるボタンの文言(例:「承認」「却下」「差し戻し」) |
| 追加の実行者 | 遷移元ステータスの作業者に加えて、この遷移を実行できる人を追加で指定できる。指定方法は ①ユーザー / グループ / 組織を直接指定 ②閲覧できる全員(レコードを閲覧できるユーザーは誰でも実行可)③フィールドで指定(フォームのユーザー / 組織 / グループ選択フィールドの値で動的に実行者を決定。例: 「代理承認者」フィールド)。代理承認・申請の取り戻しなどに使う。作業者とは異なり、通知や作業者表示・「自分の作業」の対象にはならない(実行権だけを付与) |
| 遷移条件 | フィールドの値に基づく条件(例: 金額 > 100,000 の場合のみ「経理承認が必要」へ分岐)。比較(= / != / > / >= / < / <=)、含む / 含まない、いずれかと一致 / いずれとも不一致、空 / 空でない をサポート |
= / != / > / >= / < / <=)、含む / 含まない、いずれかと一致 / いずれとも不一致、空 / 空でない をサポート各ステータスに担当者(処理者)を設定できます。担当者が設定されたステータスに遷移すると、担当者に通知が送信されます。
担当者の設定
担当者の決定方法
ユーザー選択フィールド
| 決定方法 | 説明 |
|---|---|
| 誰でも | アプリの編集権限を持つユーザーなら誰でも遷移可能 |
| レコード作成者 | レコードを作成したユーザーが担当 |
| 直前のアクションの実行者 | 1 つ前のステータス遷移を行ったユーザーが担当(例:「上長承認後、申請者に差し戻す」「経理が差し戻したら上長に戻す」のような往復フロー) |
| 指定ユーザー / グループ / 組織 | 固定で指定したユーザー、グループ、組織のメンバーが担当 |
| フィールドから取得 | レコード上のユーザー選択フィールドの値を担当者として使用 |
作業者が「指定」のステータスでは、処理方法を「誰か1人」「全員」「次のユーザーから作業者を選択」の 3 つから選択できます。「全員」は対象作業者全員が承認するまで次のステータスに進みません。「次のユーザーから作業者を選択」は、遷移するときに次の作業者を候補から必ず 1 人選んで引き継ぎます(選んだ 1 人だけがそのステータスを操作できます。候補が 1 人なら自動で割り当て)。
各ステータスで「どのフィールドを閲覧 / 編集できるか」を制御できます。 通常のフィールド権限 (アプリ設定 → 権限) はユーザー / グループ / 組織ベースで「常に」適用されますが、 こちらは レコードの現在ステータスによって動的に切り替わるのが特徴です。
設定画面は 2 つの表示を切り替えられます。「一覧」はフィールド × 全ステータスのマトリクスで、各セルに 編集可 (鉛筆) / 閲覧のみ (目) / 非表示 のアイコンが並ぶため、設定漏れの横断チェックに便利です。セルをクリックすると 3 択(編集可 / 閲覧のみ / 非表示)が表示され、その場で権限を変更できます(変更は下部の保存バーで確定します)。3 択の下の「このステータスのフィールド権限をまとめて編集」から、従来どおりステータス単位の編集画面にも移動できます。「ステータスごとに編集」では、選んだステータスの閲覧 / 編集をチェックボックスで設定します。
ステータス毎のフィールド権限設定
上長承認中は申請者の改ざんを防ぐため、申請内容を read-only にし、経理コメントだけ承認者が編集可能にする
ワークフローが有効なアプリでは、レコード詳細画面にステータスと遷移ボタンが表示されます。
条件を付けた遷移は、条件を満たさないときもボタンが表示されます(押せない状態でグレーアウトし、 隣のアイコンに理由が出ます)。行き先ごとに遷移を分けている場合は、同じ名前のボタンが複数並び、条件を満たす 1 つだけが押せる形になります。たとえば「金額が大きければ二次承認へ、 そうでなければ経理へ」を 1 つの「承認」という名前で作ると、承認者の画面には「承認」が 2 つ並びます。 利用者に迷わせたくない場合は、遷移の名前に行き先を含める(「承認(二次承認へ)」)か、 名前を分けずに運用でマニュアルへ明記してください。
レコード画面のワークフロー表示
コメント(任意)
ワークフローを有効にしたアプリでは、レコード一覧 / スプレッドシートに「ステータス」「作業者」列が自動で表示され、検索バーのフィルタからステータスで絞り込めます。
一覧でのステータス表示と絞り込み
ビューに保存するステータス絞り込み: 検索バーのステータス絞り込みはその場限り(画面を離れると元に戻ります)です。 「承認済みだけを表示する一覧」のようにビューとして固定したい場合は、ビュー設定(歯車アイコン)のフィルタ条件で項目に「ワークフローのステータス」を選び、演算子(= / ≠)とステータスを指定してください。 複数のステータスを許すときは、フィルタの結合を「いずれか一致(OR)」にして条件を並べます。 なおカンバンビューは保存されたフィルタを読まない設計のため、カンバンでステータスごとに見せるときは従来どおり列の分類にステータスを使ってください。
「自分の作業」フィルタ: ワークフローを有効にしたアプリのレコード一覧 / カンバン / スプレッドシートには「自分の作業」ボタンが表示されます。 オンにすると、今あなたが処理すべき未完了のレコードだけに絞り込めます。具体的には、あなたが作業者に指定されている / 指定されたグループ・組織のメンバーである / レコード作成者である / 担当者フィールドの値があなたであるレコードが対象です(完了ステータスや「誰でも」のステータスは含まれません)。 ボタンには該当件数のバッジが表示され、ステータスを遷移するとリアルタイムに更新されます。
「自分の作業」フィルタ
一覧でレコードを複数選択すると、画面下のアクションバーに「 ステータス遷移」ボタンが表示されます。 選択したすべてのレコードに共通する遷移だけが候補として表示されるため、まとめて承認や差し戻しができます。
一括ステータス遷移
ボードビュー(カンバン)のグループフィールドで「ワークフローステータス」を選ぶと、 列がワークフローのステータスになり、カードを別ステータスの列へドラッグすると確認ダイアログが開き、確定でステータス遷移できます。 営業案件のパイプラインやタスクの進捗を、ドラッグ操作で直感的に進められます。
ワークフロー列のカンバン
承認者の長期不在 / 退職 / 誤遷移などの救済操作として、アプリ管理者は通常の遷移ルールや作業者制約を無視して任意のステータスに直接変更できます。 履歴には [管理者強制] プレフィックス付きで記録され、誰がいつ何のために強制変更したかが残ります。
ワークフロー有効化前に作成されたレコードや移行漏れなどでステータスが未設定のレコードでは、同じ場所に「管理者: ステータスを割り当て」が表示され、任意のステータスを新規に割り当てられます(記録のされ方は強制変更と同じです)。
強制ステータス変更ダイアログ
通常の遷移ルールと作業者制約をバイパスして、任意のステータスに直接変更できます(管理者のみ)。
変更先ステータス
理由(履歴に残ります)
ステータスはそのままに、レコードの作業者だけを別のメンバーに付け替えたり(再割り当て)、未割り当てに戻したり(解除)できます。 担当者の退職・異動や、指名された作業者が動けないときの救済操作です。レコード詳細のワークフロー操作パネル(管理者のみ表示)から行います。
フィールドの値に基づいて、遷移の実行を制限できます。条件を複数設定した場合は、すべてを満たしたときのみ遷移できます。
使用できる演算子:
遷移条件の設定例
金額が10万円以下の場合のみ、直接承認が可能
遷移に「子の遷移」を設定すると、そのレコードを参照している別アプリのレコードを、 同じ操作でまとめて動かせます。ルックアップで紐づけた親子関係がある場合の、親側からの一括操作です。
全部動くか、何も起きないかのどちらかです。紐づくレコードのうち 1 件でも遷移できない・書き込めないものがあると、 この遷移自体が取り消されます(「取り消したのに伝票が残っている」状態を作らないため)。
| 業務 | ステータス例 | ポイント |
|---|---|---|
| 経費申請 | 下書き → 申請 → 承認待ち → 承認/却下 | 金額に応じて承認者を変える |
| 問い合わせ管理 | 新規 → 対応中 → 完了/保留 | 担当者に自動通知 |
| 営業案件管理 | リード → 商談 → 提案 → 受注/失注 | カンバンでドラッグして商談を進める |
| 商品レビュー | 投稿 → 審査中 → 公開/非公開 | 審査チームのみ遷移可能に |
| 採用管理 | 応募 → 書類選考 → 面接 → 内定/不採用 | 各段階で担当者を変更 |
「経費申請」アプリに、申請→上長承認→経理承認の3段階ワークフローを設定します。
設定 → ワークフロー → 「ワークフローを有効化」をONにし、以下のステータスを作成します。
ステータス一覧
どのステータスからどのステータスに移動できるかを定義します。
遷移ルール
各ステータスで誰がレコードを操作(承認/差し戻し)できるかを設定します。
担当者の設定
経費申請の流れ
ワークフロー設定画面のツールバーにある「AI アシスタント」ボタンから、日本語の指示だけでステータス・遷移ルールの設定案を AI に作らせられます。 まっさらな状態からの新規作成だけでなく、「差し戻しを追加して」のように既存のワークフローへの追加・変更を指示することもできます。